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僕たちがDOLLARをA.O.Fとしてリスタートさせた理由

私たちVISION OF FASHIONは本日9月16日付で、新しいリユースサービスのサイト「A.O.F(ARCHIVE OF FASHION)」をスタートさせました。長年拠点を置いた大阪・堀江からの撤退が5月。そこから4ヶ月を経てDOLLARはA.O.Fへと生まれ変わりました。

一見すると名前が変わり、サイトのビジュアルが変わっただけに感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかしここには、私たちの歴史と、未来への志がこもっています。

A.O.F JOURNALの第1回目となる今回は、DOLLARからA.O.Fへのリニューアルに込めた想いについて、弊社代表の菊地から語ってもらいました。

“SELL&BUY以上”を生み出すためのリニューアル

__どうして今回、新たにリユースサービスのサイト「A.O.F(ARCHIVE OF FASHION)」をスタートさせたのでしょうか?

菊地:“SELL&BUY以上”のリユースサービスを提供するためです。

私たちは、ちょうど3年前の11月ごろに初めてリユースとセレクトのコラボレーションイベントを開催しました。

当時開店したばかりのCONTEXTで開催した、ZIIINのデザイナーである中村が盛岡で運営していたセレクトショップ“RiZM CLOSET(リズムクローゼット)”とのポップアップイベントです。

__それをきっかけに、CONTEXTでもセレクトアイテムの取扱がスタートしたんですよね。

菊地:中村が弊社に合流し、京都・乙景がオープン。その後、CONTEXTがリユース+セレクトという今の形態に落ち着きました。今ではすっかり定着し、リユースとセレクトの人気もちょうど半分ずつくらいになっています。

__しかし、大阪・堀江のDOLLARはずっとリユース一本でやっていましたよね。それを今回A.O.Fとしてリスタートさせることになったわけですが、どうしてその必要があったのでしょうか?

菊地:DOLLARという名前は僕が23歳の時―――もう10年近く前ですね―――につけたものです。その中で僕も変わった部分や新たなヴィジョンを持つようになって。

__それが“SELL&BUY以上”?

菊地:そうです。買取をして販売をするという形のビジネスではなく、作り手やデザイナーのサポートになったり、ブランディングを壊さずに今ある在庫に価値を持たせる形で伝えていったり……そういうことを実現していきたいと思っているのです。

だから長年親しんできた名前であり、サイトでしたが、いったんここでDOLLARには終止符を打ち、新たにARCHIVE OF FASHIONとして生まれ変わる必要がありました。それが今回のリニューアルです。

__V.O.FとA.O.Fの違いはどこにありますか?

菊地:単純に扱い商材の違いもありますが、V.O.Fは現在進行形で物づくりをしているデザイナーと未来を作っていく場所、これに対してA.O.Fは過去の文脈を今の作り手やデザイナーに、ユーザーが納得する形で伝えていく場所という違いがあります。

ミッションは“文脈を未来に繋ぐ流通の創造”

__A.O.Fは具体的にどういったサービスをお客様に提供していく予定なのでしょうか?

菊地:V.O.Fでのセレクトショップ運営を通じて培った美意識をもとに、リユースアイテムのキュレーションもより質の高いものを提供できるようになりました。

また、現在活動中のブランドなどから過去のコレクションのアーカイブを買取り、それをエンドユーザーに適正価格でお届けする、といった形も考えています。だから今後はコンディションも良ければ、質も高いリユースアイテムを提供できます。

__それが上図で言うREUSEの部分ですよね。A.O.Fが販売の場だとすれば、もう一つのVALUEの部分ではどういうことをしていくのでしょうか?

菊地:志を同じくするデザイナーやクリエイターと一緒に、リユースアイテムを通じて新しくクリエーションをしたり、新しい価値を発見していくような場所をイメージしています。

今までセレクトアイテムのデザイナーと、リユースサービスを提供する事業者というのは、どこか対立的な関係になることが多かったのですが、A.O.Fでは一緒に何かを生み出す立場でタッグを組んでいきたいのです。

そのためには自分たちが哲学を磨き、実践するのはもちろん、想いに賛同してくれる仲間を探していきたいと考えています。

業界の壁を“クリエイティブに”なくしていく

__これまでの業界の壁を壊していくイメージでしょうか?

菊地:そうですね。ただ先人が築き上げてきたブランドのルールや業界のしきたりを、むやみやたらに壊して回るつもりはありません。

あくまでリスペクトを抱きながら、衣服の文化を未来に繋いでいくために、クリエイティブなアクションを起こしていく、というイメージです。

__もう少し具体的に言うと、どういったことなのでしょう?

菊地:ブランドやモノではなく、人にフォーカスすることが大事になってくると考えています。

これからの消費は、場所やモノよりも“人で買う”のが主流になってくるでしょう。今のところリユースのビジネスはブランドやモノにフォーカスしがちですが、焦点を人へとシフトしていく必要があります。

A.O.Fはそういった場所として機能させていきたいですね。人と人がつながって、その想いの交換が起き、そこから衣服の文化がアップデートされて、次のクリエーションにつながっていく。そんなイメージです。

__循環していくんですね。

菊地:そこが大事だと思っています。僕らがプレイヤーとしてブランド、モノ、人のアーカイブを抱え込むのではなく、きちんとお客様や取引先様、世の中に対して伝えていく。それを受け取った人たちが、次の未来を作っていく。

結果としてより質の良い衣服が作られていけば、無駄な生産も消費も減らすことができます。それが本当の意味でのサスティナブルだと考えています。

今回のA.O.Fとしてのリスタートは、そのための新しいスタートラインですね。

__ありがとうございました。

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・ARCHIVE OF FASHIONがオープン。

聞き手/鈴木 直人(ライター)
語り手/菊地 央樹(VISION OF FASHION代表)