【NEW ARRIVAL】ZIGGY CHEN 2021-22AW COLLECTION vol.1

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【NEW ARRIVAL】ZIGGY CHEN 2021-22AW COLLECTION vol.1

9月に入り、日中はまだ汗ばむものの、夕暮れ時には涼しい風を感じるようになってきました。

そんな中、東京・CONTEXT、京都・乙景、ONLINE SHOPには中国上海のブランドZIGGY CHENから、秋冬の新作が入荷しています。

ファッションが楽しくなるカンフル剤的なアイテムから、良さがじんわり滲み出る渋めのアイテムまで、今季も大豊作。V.O.Fメンバーも秋冬への気持ちが高まりに高まっています。

以下では今季のZIGGY CHENのテーマ“Sugarden”の考察とともに、今回入荷分の23型を一挙にご紹介いたします。ぜひともお楽しみください。

Table of Contents

ZIGGY CHENとは

ZIGGY CHENは、世界第3位の大都市・上海を拠点にクリエーションを行うブランドです。このように説明すると、高層ビルが立ち並ぶニューヨークのような街並みの中で作られる衣服を想像するかもしれません。

しかし上海にはイギリスをはじめとしたら西欧諸国が居留地としていた頃の古い街並みも残っています。言うなれば、古いものと新しいもの、東洋と西洋の文化が混じり合いながら進化していく混沌の都市なのです。

そんな上海の街をインスピレーションの源としているZIGGY CHENの衣服は、尋常ではない「切る、縫う、切る、縫う」の連続から構築される衣服には、単なる衣服以上のアートの趣さえ漂います。

ブランド設立以来、デザイナーは既存の価値観に惑わされない反骨精神を持ち続け、新しいアイデアを一つ一つ試行錯誤しながら、前進し続けており、その勢いは今なお鈍る気配はありません。

2021-22AW COLLECTION “Sugarden”も、彼のクリエイティビティがこれでもかというほど詰め込まれた、素晴らしいコレクションになっています。

2021-22AW COLLECTION “Sugarden”　考察その1

2021-22AW COLLECTIONのテーマは“Sugardens”。ZIGGY CHENの拠点である上海から西へ100kmほどのところにある歴史的な街、蘇州(SUZHOU)と、庭園（GARDENS）を組み合わせた造語です。

今季はそのテーマ通り、600年以上前に蘇州に建設された庭園群「蘇州古典園林」からインスパイアされたコレクションとなっています。

ルックブックより、今季の特徴的なモチーフ「太湖石（たいこせき）」のプリント生地を使用したルック。

筆者は、Ziggy Chenが2021-22AW COLLECTIONで、自分のルーツにより深くアプローチしようとしたのではないか、と考えています。

というのも、2021SSのZIGGY CHENのテーマは、デザイナー自身がインドのバラナシに旅行した時の写真と、ドイツの芸術家ハンナ・ヘッヒの作品からインスピレーションを得たCollagemory（＝コラージュ＋メモリー）でした。

言わば個人的な記憶に根差したコレクションだったわけです。

対して今季のSugardensは、大きな主語にとっての記憶＝歴史に根差したコレクションと言うことができます。

舞台になった蘇州は、古くから絹織物で発展した中国を代表する文化都市です。

春秋時代（紀元前771年から紀元前5世紀まで）には魏・呉・蜀のうち呉の都が置かれ、南宋時代（960年から1279年まで）に木綿栽培が始まると、絹だけでなく綿においても国内最大級の生産量を誇るようになりました。

近代的な新市街地と、歴史的な趣が色濃く残る旧市街地がありますが、蘇州古典園林は旧市街地にある庭園群です。

多くは明代・清代に地元の名士たちが個人的な趣味として建設したもので、中には唐代末期（956年）や元代末期（1342年）から残っている庭園もあります。

また、今回のコレクションムービーはウォーキングマシンを逆回転させ、モデルを後退させながら作品を見せていくという建てつけになっていました。

この点からも、2021-22AW COLLECTIONのZIGGY CHENは歴史をさかのぼり、自分たちの根底にある文化や美意識と向き合おうとしているように感じられるのです。