V.O.F ARCHIVE で服を買う・売る人にはどんな体験が待っているのか? – 乙景・山口が伝えたいV.O.F ARCHIVEの哲学と愉しみ方
A.O.Fリニューアルのお知らせ
私たちV.O.Fは今秋、弊社のリユースプロジェクト「A.O.F」のオンラインサイトを「VISION OF FASHION」のオンラインサイトへ統合・リニューアルしました。
それに伴い、今後は「A.O.F」を「VISION OF FASHION ARCHIVE」という名前で新たに運営していきます。
具体的なリニューアル内容として、新しい商品とアーカイブ商品を一つのサイト内でシームレスにご覧いただけるようになりました。
セレクトブランドページの画面右上、「ARCHIVE ITEM >」(画像1枚目)ボタンをタップすることでアーカイブアイテム一覧ページ(画像2枚目)へ。
ブランドの歩んできた道のり、そしてその貴重な1点モノのアーカイブアイテムが並びます。
アーカイブアイテム一覧ページからは「NEW ITEM >」のボタンからセレクトブランドページへ戻ることができます。
アーカイブ商品は「ARCHIVE」ラベルが付いたものが目印です。(画像2枚目)
また、MENUタブから「NEW ARRIVAL」→「ARCHIVE」(画像3枚目)ボタンをタップすると、現在取り扱いのあるARCHIVE ITEMをフルラインナップでご覧いただけます。
これからはセレクトとアーカイブの両方を1つのサイトから楽しんでいただけますと幸いです。
また、リニューアルと共に、コラム的な感覚でV.O.F ARCHIVEの洋服をピックして歴史や背景、そして現代との比較や、偏愛するものたちへの魅力などを乙景/アーカイブ統括・山口の肌感覚と共に、こちらのジャーナルでご紹介していく予定です。
そこで今回のジャーナルでは、改めてV.O.F ARCHIVEの哲学と楽しみ方についてお話しさせていただこうと思います。
服を買う、服を手離す。
服好きならば誰もが通る道と言って良いほど、たくさんの人がこのサイクルを経験しているかと思います。私、CONTEXT・伊藤香もその1人です。
一度手にした服は、長く大切に着ていきたいものですが、時にはライフスタイルや気持ちの変化によって装いが変化することも。
私たちが運営するV.O.F ARCHIVEは、そういった時の受け皿になるプラットフォームの1つです。
今回は、V.O.F ARCHIVEで「服を買うこと・売ること」の意味や、その楽しさについて、運営者である乙景・山口に話を聞いてみました。
今では当たり前となった「衣服の売買」について、改めて考えるきっかけになれば幸いです。そしてA.O.Fの楽しみ方を皆さんと共有できればと思います。
そもそもV.O.F ARCHIVEとは何なのか−−−「文脈」にフォーカスした古着
__まずはじめにV.O.F ARCHIVEで行っていることや、お取り扱いアイテムについて、改めて教えてください。
山口:僕たちは「歴史と未来の共生」をテーマに、リユースアイテムの販売と、着られなくなった洋服のお買取やアップサイクルプロジェクト行っています。
元々は弊社代表が2012年に大阪でリユースをメインとした店舗を始めたのをきっかけに、現在は東京・CONTEXT、京都・乙景、岩手・kuneそしてオンラインストアでアーカイブアイテムをご紹介し、お買取のご相談も行なっています。
お取り扱いするのは、アルチザンブランドを中心としたアーカイヴ商品。
店頭やオンラインストアを見ると分かるのですが、アルチザンブランドだけを取り扱っている訳ではなくて、ハイメゾンやモードブランドのアーカイヴや、ヴィンテージのアイテムもご紹介しています。
__アルチザンブランドだけに特化しない理由って、竜輝くんなりに考えてみたことあります?V.O.F ARCHIVEでお取り扱いするアイテムの「基準」みたいなものがあったら教えてください。
山口:やっぱりテーマである「歴史と未来の共生」がキーワードです。
衣服って、そのデザインがいきなり生まれた訳ではなくて、必ず何かしらの「文脈」があると思うんですよ。
現代ファッションでいえば、デザイナーの出身地や宗教、好きな音楽や身の回りにあるものがデザインに大きな影響を与えています。
古い服で言えば、国や時代の価値観や文化が反映されるなど「そのデザインになった理由」があるんです。
僕たちがV.O.F ARCHIVEでお取り扱いしている衣服はそんな「文脈」が、特に色濃く表現されています。
現代のファッションブランドだけどイメージは19世紀の服だったり、そしてヴィンテージの服のデザインにはこんな意味があったり……と色んなブランドを渡り歩いて、歴史を理解していく。
アルチザンブランドだけに特化しない理由は、そんな「衣服文化の横の繋がり」を強く感じてもらいたいからです。
__ファッションは時代や歴史を映す鏡ってよく言いますもんね。
山口:そうそう。だからこそ僕は衣服を通して、文化や歴史をしっかりと未来に繋いでいきたいと思うんです。
これだけ衣服が溢れた世の中なので、どうしてもデザインの「見た目」だけが注目されがちなんですけれど、その中に埋もれているデザインの「文化」をしっかり魅せていきたい。
その文脈が分かれば、ファッションってもっと楽しくなると思うし、自分の「好き」の解像度が上がる気がするんです。
__個人的には、昔のことを歴史の教科書で読んで学ぶよりも、その時代をイメージした服を着た方が、当時の時代背景が頭にスッと入ってきます笑
山口:しかもそのデザインが自分の好みだと、愛着すごい湧きますよね笑
人類の歴史と一緒に僕たちの明日の装いを考えていく。これが僕たちの哲学の1つなんじゃないかなと思います。
「予期せぬ出会いと冒険が待っている」−−−V.O.F ARCHIVEで服を買う人に向けた“愉しみ方”
__じゃあ実際に、V.O.F ARCHIVEで「服を買う人」にとっての楽しみってなんでしょう?
山口:1つは「予想できない楽しみ」があることですね。
新品のアイテムは事前にルックが公開されたり、ブランドが宣伝したりして、どんなものが今店頭に並んでいるか、ある程度見えますよね。
けれどアーカイブのアイテムは店舗やオンラインサイトを見るまでは「何があるかわからない」。
オンラインは毎週土曜日に新入荷をアップしています。また、店舗では、買取のタイミングでお店に並んでいくので、本当にいつ何があるかわからないです。
ライブ感というか、そのタイミングや場所でしか出会えない「縁」が、V.O.F ARCHIVEの楽しみの1つだと思っています。
__私もV.O.F ARCHIVEは「旅」のような感覚で楽しめると思っています。具体的に例えるなら、行く場所は決めているけれど、何をするか決めない無計画な旅です。
その場で生まれる繋がりを楽しむイメージで、思いがけない出会いや発見があるのも旅の醍醐味。
これってV.O.F ARCHIVEのアイテムとの出会い方と似ているような気がします。
山口:あともう1つは、「冒険できる楽しみ」があることですね。
僕自身、V.O.Fのお客様には本当にファッションを楽しんでもらいたいと思っていて。
もちろん好きなブランドを全身に纏ったときの高揚感を僕たちは知っています。
しかし、特定のスタイルに捉われる必要はないんですよね。
自分の中に生まれた「ときめき」に耳を傾け、1人1人のエッセンスをスタイルに取り込んでもらいたいんです。
その上で店頭では、僕たちと対話しながらお客様のスタイルを一緒に考えるお手伝いをさせてもらいたいですね。
その時の季節や、自分の気分に合わせて着る服を変えてみる。
お客様の気持ちにいつでも寄り添っていけるように、アルチザンブランド以外のアイテムもご紹介しているんです。
どんなアイテムでもしっかりと「文脈」を持っていれば、アルチザンブランドも、ハイメゾンのブランドも、ヴィンテージも、ミリタリーもV.O.F ARCHIVEの一部になれます。
自分の好きを大切にしつつ、さらに「新しい冒険」にもチャレンジできる場所としてありたいですね。
__ブランドとかにこだわらずに新しい「ときめき」を探してみるっていう楽しみ方、アリですね。今すぐにお店のラックに向かって、自分が普段着ないアイテムは……って見てみたくなりました笑
山口:うんうん。好きなブランドを見に行くだけじゃなくて、自分のワードローブに新しい風を吹かせたい時に、ぜひV.O.F ARCHIVEをのぞいてみてほしいですね。
服を買う人にとって、V.O.F ARCHIVE にはそんな楽しみ方があると思います。
「大切な衣服のバトンパスを行う“器”でありたい」−−−V.O.F ARCHIVEで服を売る人に向けた“愉しみ方”
__逆に「服を売る人」にはどんな楽しみが待っているんですか?
山口:ただ服を売ってお金にすることから、もう1歩踏み込んだ体験を楽しんでほしいです。
冒頭でも言っていましたけれど、香里菜ちゃんは服を売ったことがあるんですよね?
__うん、あります。だた「買った時はあんなに思い入れがあったのに、売るときは意外とあっけないな」となんとも言えない複雑な気持ちになったんですよね。
山口:おそらくその気持ちになった1つの理由は、服への愛着が上手く伝わらないまま手離してしまったからだと思います。
僕たちは、そんな時の「器」でありたい。
文脈を持ったアイテムと過ごしたお客様の「愛着」をしっかり伝えられる場所でありたいです。
__たしかに、以前CONTEXTに服を売りにきてくださった方が「ここならしっかり紹介してくれると思って持ってきました」と話してくれたことがありました。
別のお客様は「この服はこの時に買って…」と買った時のエピソードを話してくださって、みんなでアイテムを囲みながら「このディテール良いですねぇ…」と話し込んだりもしました。
このやり取りを体験して、私たちがV.O.F ARCHIVEでやっていることって間違いじゃないんだなと思いましたね。
山口:そのエピソード、めちゃくちゃ嬉しい…僕たちは、アイテムの魅力を引き出す知識を備え、お買取に持ってきてくださったお客様とアイテムとの「愛着」も次の人に伝えていく、言わば「語り部」であるべきです。
単純な「モノ」としてではない、それ以上の価値のバトンを渡す役割があると思っています。
なので、V.O.F ARCHIVEで服を手離す方には、お客様からアイテムの好きなところを伝えてもらえたりすると、すごく嬉しいです。直接的に次の人に伝えるのは僕たちなのですが、アイテムの「良さ」を伝えるキュレーションを一緒に楽しめたらなと思います。
お買取するブランドはアルチザンに限らないし、季節によってもお買い取り金額は変わりません。
香里菜ちゃんが話してくれたお客様のように、自分の子供をお嫁に出す感覚で、大切に着てきたアイテムをV.O.F ARCHIVEに託してほしいですね。
以前、弊社代表の菊池も語ったように、作り手やデザイナーの手助けになったり、お客様がお持ちのアイテムの魅力を最大限に引き出す形で大切にご紹介させていただければと思います。
__服を買うのも売るのも値段だけじゃないっていうことですね。
山口:ですね。個人間で服を売ることが簡単になった今だからこそ、売るという行為でどんなことができるのか、僕たちV.O.F ARCHIVEに衣服を託すことの意味を考えてくれたら嬉しいですね。
__V.O.F ARCHIVEには、服を買う人・売る人どちらの目線でも楽しめる魅力があることが改めて実感できました。今日はありがとうございました!
服を売るにも買うにも愉しみあれ
V.O.F ARCHIVEが伝えたい「衣服の歴史と未来の共生」。
今回の記事を読み終えて、皆さんが「服を売ること・買うこと」にはどんな意味があるのか考えるきっかけになれば嬉しいです。
私たちはその1つの答えである「器」として、これからも素敵な衣服との出会いをお届けします。
そして着られなくなった衣服の「バトンパス」も、店頭やオンラインでいつでも気軽にご相談ください。
V.O.F ARCHIVE商品ページはコチラから。
買取サービスについては コチラ から。
語り手:山口竜輝(京都・乙景スタッフ)
編集・構成:伊藤香里菜(東京・CONTEXT元スタッフ)
※2024,12,6に再編集 :照井彪斗(岩手・kune店主)
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V.O.Fでは”衣服消費の健全化”をMISSIONに掲げ、リユース商材を仕入れて販売するほか、着られなくなった洋服の買取やアップサイクルプロジェクトに取り組んでおります。不要になりましたお洋服があれば、ぜひ一度ご相談ください。買取サービスについては コチラ から。