この春夏に買ってよかったものは?【CONTEXT店主・伊藤憲彦編】
VISION OF FASHIONメンバーの「この春夏に買ってよかったものは?」シリーズ第4弾を飾るのは、CONTEXT TOKYO店主、伊藤憲彦です。
【ZIIINデザイナー・中村憲一編】
【乙景店主・山下恭平編】
【CONTEXTスタッフ・伊藤香里菜編】
紹介してくれるのは今季のZIGGY CHENからバッグとジャケット、そして伊藤の愛用するLeicaのカメラの3点です。
これまでも各人、思い思いの品を紹介してくれましたが、いったい伊藤はどんな切り口で語ってくれるのでしょうか。ぜひお楽しみください!
ZIGGY CHEN / BAG Art.#4003
__伊藤さんがこの春夏に買ってよかったものは何ですか?
僕はZIGGY CHENのBAG Art.#4003(完売)と、SHIRT Art.#720(完売)、あとカメラでLeicaのM10-Pの3つです。
__ではZIGGY CHENのBAGから、まずどんなカバンなのか教えてもらえますか?
今季のいろんなところに使われていた、透かし織りの生地のショルダーバッグです。旧ソビエト軍のメディックバッグが元ネタで、ZIGGY CHENのフィルターを通してリデザインされたものなんです。
__どうしてそれを「この春夏に買ってよかったもの」に選んだんですか?
じわーっと来たからです(笑)。
__どういうことです?(笑)
いえね、僕は普段荷物を持つのがあまり好きじゃなくて、基本携帯と財布と鍵しか持ち歩かないんです。必要最小限。
なのでカバンに関してはずっとGUIDIのパスポートバッグを使っていたんです。雨の日はBAGJACKのに変えたりはするんですけど、基本はその2つしか使っていなくて。
むしろ最近は、カバンすらいらないやって、ポケットに全て詰めて手ぶらで出かけてたんですよ。
__確かに、伊藤さんいっつも荷物少ないですよね。
そう。でもこのZIGGY CHENのカバンは、ちょっと冷めてたカバン熱を再燃させてくれたんです。
__なんで再燃したんですか?
ミリタリーが好きなんですが、かと言って実物放出品のものだと粗野だしちょっと無骨すぎると思っていて。東京で生活する以上、品の良さは大切にしたいんです。
このカバンは、ディテールはミリタリーそのものなんですけど、上品なんですよね。
もちろんミリタリーのシャツやブルゾンと合わせてもいけますし、ドレスシャツやスラックスなどの品の良い服と合わせても成立するんですよ。肌触りも柔らかいしサイズ感もちょうどいい大きさです。
あとはね、このショルダーストラップがいいんですよ。
__どのあたりが?
たすきがけにすると、ストラップがいい感じに垂れるんです。絶妙に力が抜けた感じになる。ここもじわーっと来たんですよね。紐フェチの僕には最高のカバンです。
やっぱりカバンも、コーディネートをシメてくれるアクセサリーなんだなあと思いますね。次の21A/Wや22S/SのシーズンにもZIGGY CHENからカバンが出てくるので、それも狙っています(笑)。
【ZIGGY CHEN / BAG Art.#4003の通販ページはこちら(完売)。】
ZIGGY CHEN / SHIRT Art.#720
__じゃあ、そっちのシャツブルゾンは?
これもね、じわーっと来た。今回あげたZIGGY CHENの2つはじわーっとシリーズなんですけど(笑)。
__そのシャツブルゾン、正直言うと写真で見ただけだとあんまりピンと来ませんでしたが……。
僕もこの21S/Sのバイイングの時、最初はあんまりピンときてなかったんですけど、バイイングの資料を見ているうちに「あれ、これめっちゃ良くない?」ってなったんです。それで買い付けました。
__どのあたりがじわーっと来たんですか?
バランスがめちゃくちゃいい。
ZIGGYにしては珍しくデザインがシンプル。多分そこが初見でピンとこなかった原因だと思うんですが、ずっと見ていると完成度の高さに気がつきます。
ZIGGYのルーズフィットのコートをブルゾン丈にしたみたいなバランス感があって、シルエットが最高なんですよ。
生地もテロっと軽いものを使っていて、胸ポケットはミリタリーウェアから引用しているし、ボタンにはZIGGY CHENおなじみの重厚感のある水牛ボタンを使っています。
剛と柔のバランスが絶妙ですね。
__普段のスタイリングでも使いやすそうですね。
最近はこればっかり着てしまってますね(笑)。何しろこの生地がさらっと涼しくて、シャツブルゾンなのに普通のシャツより快適に着ることができます。
アームホールも身幅も広いから、脇にもしっかり風が通りますし。
__よく考えられてるなあ。
これまでの僕の夏場のスタイルって、毎年シャツをロールアップして着るか、緩いシルエットのカットソーを一枚で着るかの二択でした。
でもこのシャツブルゾンは、第三の選択肢になるなって思ってます。夏に1枚で着るブルゾンというか、夏が楽しくなるブルゾンというか。本当に買ってよかったなぁ。
個人的には肩を抜いて少し後ろに倒して着るのが好きですね。
__へえ……ふーん、いいなあ……(欲しそうな顔)。
あ、もう完売です。すみません(笑)。
【ZIGGY CHEN / SHIRT Art.#720の通販ページはこちら(完売)。】
Leica M10-P
__最後がライカですが、伊藤さんって前にもライカ持ってませんでしたか?
はい、1台目はLeica Qというモデルを買いました。こいつは、最高のスナップシューターだと思います。仕事でも旅でも使える、なんでも撮れるカメラが欲しくて。
こいつがねえ、まじでいいんですよ。Summiluxっていう明るいレンズがマウントされていて、28mm広角に35mmと50mmがクロップで使えます。フルサイズのセンサーが入っているのにコンパクトで軽い。
オートフォーカスも優秀で瞬時にピントが合うし、マクロモードが使えたり…いいところを挙げだすと止まらない、いわゆる優等生タイプです。
__めっちゃ褒める(笑)。
それくらい良いんですよ。35mmと50mmの画角で撮るときはクロップなので画素数が落ちるんですが、引き伸ばしたりしない限りは全く気にはならないですね。
しかもそのポイントを後継機のQ2では画素数がほぼ2倍にすることで改善されていました。
__そんなによかったのに、新しく買ったんですか?
はい、また別物なので(笑)最近はもっぱら新しく買ったM10-Pの方を使っていますね。
__Leica M10-Pはどんなカメラなんですか?
デザイン面で言うと、良い意味でコロッとして可愛い印象のQに対して、MはLeicaの伝統を引き継いだ一台です。
MシリーズのM10の中でも、いろんな仕様があるんですが僕はPを選びました。
Leicaのトレードマークとも言える赤バッジがなくて、その代わりにヨーロッパのネジに多いマイナスのネジが付いていて、本体上部に筆記体でLeicaのロゴが入ります。
__それはどうして?
諸説あるんですが、この赤バッジの赤がガラスなんかの反射の強いものを撮ると写り込むからだそうです。めちゃくちゃストイックですよね。
M10-PのPはProfessionalのP。だから赤バッジが無くてマイナスネジの仕様になってるんです。
加えて、個人的には、この仕様のおかげで撮られる側に変に圧をかけずに済むのもいいところだと思ってて。
__どういうことですか?
いわゆる、すごいカメラで撮ってやってんだぜ!って圧がない。だから撮られる側の人もリラックスしてくれるような気がしてます。
__買ってよかった?
もちろん。デザインより何より、撮った写真が素晴らしいです。その場の空気をそのまま切り取ってくれるというか…。
レンズは貴婦人って異名を持つオールドレンズのSummilux 1stを使っているんですが、ときどき心を深く動かしてくれる写真が撮れます。このレンズがまた、素晴らしいんです…… (笑)。
今まではわざわざ休みの日にどこかに写真を撮りに行ったり、「撮らせてよ」と言ったりしませんでしたが、このカメラを買ってからはつい「撮らせてください」って言うようになりました。
最近はもっぱら、人を撮るのが楽しいです。その人の魅力をファインダー越しに探すのに夢中です。
__写真を撮ることが楽しくなるカメラ、といった感じでしょうか?
そうですね。抱えるものは…色々とありましたけど(笑)。
__まあ、値段、かなりしますもんねえ……。
お金は持っていてもただの紙切れなので、経験に変えないと!と自分に言い聞かし……ごにょごにょ。
__え、なんだって?(笑)
まあ、それは半分本気、半分冗談ですが、それがモチベーションになって仕事に還元できています。
人やものが持つ魅力を引き出してくれるので、SNSやJOURNALのためにスタッフの伊藤香里菜さんや商品を撮るときも楽しいですし。
__伊藤さんの撮る写真、いつも楽しみにしています。今日はありがとうございました。
第5弾はライター鈴木直人の「この春夏に買ってよかったもの」です。記事は近日公開予定。お楽しみにお待ちください。
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<NEWS>
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聞き手/鈴木 直人(ライター)
語り手/伊藤 憲彦(CONTEXT TOKYO店主)