この春夏に買ってよかったものは?【CONTEXTスタッフ・伊藤香里菜編】
V.O.Fメンバーの「この春夏に買ってよかったものは?」シリーズ、第3弾はCONTEXT TOKYOでスタッフとして働いている、伊藤香里菜です。
【ZIIINデザイナー・中村憲一編】
【乙景店主・山下恭平編】
彼女が紹介してくれたのは、CONTEXTで取扱のあるSCHAのカットソーとスカーフ、栃木に小旅行に行った際に購入したという、陶芸作家の岩田智子さんのマグカップ、そして鎌倉の線香屋さん、香司 鬼頭天薫堂 鎌倉の『香 十一種揃え』の3点です。
服好きとしての話から、心身との向き合い方、果ては日本の香りの文化まで、色々な切り口からのモノ語り、ぜひお楽しみください。
SCHA Round Neck Cape Jumper &Collar Scarf
__1品目は、SCHAのカットソーとスカーフですね。
はい。どちらも肌馴染みの良いカジュアルなコットンジャージー素材なんですけれど、SCHAのフィルターを通ることで、どこか上品な雰囲気の漂うアイテムです。
ワンピースの上やきれいめなストレートのパンツにこの2つのセットを着たり、ワンピースにスカーフだけを巻いたり―――どんなスタイリングと合わせてもきれいにまとまるのが嬉しくて、この春夏買ってよかったなあと思いました。
__どうして最初にこの2つを買おうと思ったんですか?
実は買い付けの時点でこの2つがCONTEXTに入ってくるのは知っていたんですけれど、その時はまだピンと来てなかったんです。
でも実際に入荷して、手にとって見た途端に気になり始めて。
__どういうところが気になったんでしょう?
今回のカットソーはかなりコンパクトなサイズだったので、普段CONTEXTで取り扱っているサイズ感とは全く違うんです。だからすごく新鮮に感じたのだと思います。
それで試着してみたら「わ、これめちゃいいじゃん!」ってなって、すぐに買いました(笑)。
__実際、買って、着てみて、どんな印象を抱きましたか?
とても心地が良いです。特にカットソーに関してはサイズも私でぴったりだし、長袖なので、少しタイトな着心地になるのかなと思っていたんですが、しっかり風を含んで揺れてくれるし、涼しいし。良い意味で裏切られました。
__横に深いスリットが入ってるおかげなんでしょうか?
そうです。ものすごく風が入ってくるので、本当に涼しいんです。
けっこう深いので最初はびっくりするんですけれど、女性の服はこういうデザインのものもあるので、私はそこまで抵抗感はありませんでした。
むしろインナーを変えて遊べるので、スタイリングの幅が広がって楽しいです。
__シンプルなんだけど、よく考えられてますよね。
デザイナーのエヴァ自身が掲げているスマートさが、随所に感じられる服だと思います。
ありそうでなかなかない。素っ気なく作ってあるけど、実はそうでもない。服を作ったのが初めてのシーズンだとは思えない完成度だなと思いました。
サイズが小さいので人を選ぶかもしれませんが、スカーフも含め、男性にもぜひ挑戦して欲しい服ですね。
【SCHA Round Neck Cape Jumper &Collar Scarfの通販ページはこちら(完売)。】
岩田智子作のマグカップ
__2品目がマグカップということですが?
春先に、栃木県大田原市にあるギャラリーショップ田谷というお店で買った、陶芸作家岩田智子さんのマグカップです。
一見すると工業製品のようにきれいに作られているんですが、ろくろではなく手捻りで作られているそうで、ようく見るとミリ単位でいびつなんです。
若干線に揺らぎがあるというか。そこが気に入って買いました。
__どうしてわざわざ栃木まで行ったんですか?
私は今東京に住んでいるんですけれど、この街にずっといると、どうしても色々考えてため込んでしまって。
3月ごろに、違う土地に行って自然を感じたり、色々体験をしたりしたいと思って栃木に行こうと思ったんです。
ギャラリーショップ田谷は向かいに系列店でコーヒー屋さんもしているお店なんですが、緑の中にぽつんぽつんと家がある田舎町といった雰囲気の場所にあって、すごく気持ちが癒されました。
東京は良くも悪くもなんでも揃ってしまうんですが、そうやってわざわざ足を運んで、そこで体験したり、モノを買ったりする時間は大切だなと思いました。
__使ってみてどうですか?
私の人差し指と取手の部分のフィット感がすごくて、これで飲み物を飲むの、めちゃくちゃ心地いいんですよ。本当にぴったりで。
なんならこのサイズの指輪欲しいってくらいしっくりくるんです(笑)。
あとはマグカップなのに、飲み口が薄くしてあって、口当たりが良いのもすごく気に入っています。色味もとても素敵で、本当に買ってよかったなあと思います。
香司 鬼頭天薫堂 鎌倉の『香 十一種揃え』
__最後に紹介してくれるのは、お線香ですか?
はい、そうです。香司 鬼頭天薫堂 鎌倉というところの『香 十一種揃え』という商品で、全部で11種類のお線香がアソートで入っています。
パッケージに私の名前の一文字が入っているところにも惹かれて、最近買いました。
__お線香を焚く習慣は前からあったんですか?
いえ、実は今まではありませんでした。でも先日公開したJOURNAL(“色合わせの美学” を平安貴族に学ぶ―――GUIDI・ZIIINでつくる「襲色目」のスタイリング)を書いているうちに、平安時代の文化に興味が湧いてきたんです。
しかもそのタイミングで、大学で香道(※)の授業があって、日本古来の香りを体験したいなと思うようになって、これを買いました。
だからあのJOURNALは、このお線香を焚きながら書いたんです。
※主に東南アジアで産出される沈水香木など各種香木の香りを鑑賞する、日本の芸道である。香道は禅の精神を大事にし、礼儀作法・立居振舞など約束事の多い世界であり、上達するにつれ古典文学や書道の素養も求められる。(引用:Wikipedia)
__実際使い始めてどうですか?
すごく集中できますね。
最初は香りが邪魔をして集中できないんじゃないかと思っていたのですけれど、焚き始めてしばらくすると香りと空間が馴染んできて、いつの間にか集中できる環境が整ってくるんです。
今では集中したい時は、お線香を焚いてから作業を始めるというのがルーティンになってきていますね。
__僕もお線香が好きで、寝室やリビング、仕事部屋、トイレなど場所に応じて香りを変えています。
西洋もですが、香りって歴史を通じて人の生活の中に根付いているものなんですよね。
__香道もそうですが、日本の香りの文化は、西洋とはまた違う発展を遂げていますよね。僕も昔『源氏物語』を読んで、好きな人への手紙に使う便箋にお香を焚きしめて香りをつけてから渡す文化があったのを知って感動したことがあります。
ああいうのを知ると、日本人はもっと香りと丁寧に付き合ってもいいのかなと思います。香りって一般的には「嗅ぐもの」と思われますが、そうじゃなくて「聞くもの」なんだっていう人がいるらしいです。
耳を済ませるかのように嗅覚に集中して、お香の煙の中の微かな香りの辿る、みたいな感覚なのだと思うのですけれど。
__「聞香」なんて言葉もあるくらいですから、日本にはそうやって香りと向き合ってきた文化があるんでしょうね。
私にとってこの『香 十一種揃え』は、そうした日本の深い文化の入り口になってくれたので、買ってよかったです。
__僕もまたいろんなお香を試したくなりました。今日はありがとうございました。
第4弾はCONTEXT店主・伊藤の「この春夏に買ってよかったもの」です。記事はこちらのリンクからご覧ください。
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<NEWS>
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聞き手/鈴木 直人(ライター)
語り手/伊藤 香里菜(CONTEXT TOKYO スタッフ)