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花巻・kuneがついにオープン。代表菊地が語る、コンセプト「日々是好日」

2023年4月15日、V.O.Fの新しいお店である花巻・kuneがついにオープンを迎えました。

今回はV.O.F代表であり、kune店主でもある菊地に、前後編に分けてお店のコンセプトやオープンまでの期間で変化してきた花巻との関係性、そして同地で思い描いている夢について語ってもらいました。

前編となる今回は、お店のコンセプト「日々是好日」を中心とした、kuneのアウトラインについてのお話です。

「生涯かけて営むお店だからオープン日は自分の誕生日にしました」花巻・kuneがついにオープン

__kuneのオープン日である4月15日は菊地さんのお誕生日ですよね。ここには何か意図があったんでしょうか?

菊地:生涯ここで続けていくお店だからと思い、ちょうど15日が土曜日だったこともあって、誕生日に合わせてオープンしたんです。

__場所は岩手の花巻市、鉛という地域なんですね。

菊地:600年くらいの歴史を持つ鉛温泉のある地域です。盛岡からは40〜50分程度、仙台からは高速を使えば1時間弱で来てもらえるところにあります。

花巻の空港と新幹線の駅からは車で20〜30分くらいの場所で、関西圏からだと神戸空港や伊丹空港から1本で来てもらうことができます。東京からだとドアトゥードアで3時間くらいです。

__私のように関西に住んでいる人間からすれば、気候や風景がガラリと変わることを考えると、意外と近いように感じます。

菊地:歴史ある温泉地区なだけあって、kuneの近くには老舗の温泉旅館もありますから、遠方の方はそこに泊まってうちに遊びに来てもらったりもできます。

__営業日は毎週土日月+祝日なんですね。

菊地:はい。彪斗(たけと)くんと僕の二人体制で対応しています。

__あの坊主の!

菊地:そうです。彼はもともとCONTEXT TOKYOを知ってくれていて、去年の秋ごろに東京で開催されていた岡本太郎展に合わせてお店に遊びに来てくれたんです。

僕もちょうど東京にいて、話をする機会があって。その時にkuneの話をしたら彼の地元が偶然花巻だった。しかもkuneから車で10分くらいのところに実家があったんです。

__すごい偶然(笑)。

菊地:じっくり話して見ると、盛岡のアート系の会社でやりがいを持って働いているものの、一方でファッションを通じて民藝や岩手の魅力を発信したいという思いも持っているんだと、話してくれました。

話せば話すほどkuneで僕がやりたいこととヴィジョンが合致していて。なので、ダブルワークという形でkuneを手伝ってもらうことにしたんです。

「コンセプトは“日々是好日”。毎週のように変化するお店を楽しんでもらえたら」

__kuneのコンセプトは何ですか?

菊地:日々是好日です。毎日がいい日になるように、1日1日を大切にするというのがテーマになっています。

週末お店を開ける前に庭の木や花を切ってきて生けているのも、自然光を最大限に生かしたお店づくりをしたのも、時の移ろいを感じてもらうためです。商品も含めて、毎週のように変化するお店を楽しんでもらえたらと思っています。

__そのコンセプトは、どのような形でお店のラインナップに反映されているんでしょうか?

菊地:例えばユーロのヴィンテージミリタリーをセレクトしています。ここは寒暖差も激しく、冬になればたくさん雪が降ります。そんな中で生活していくためには、ファッションだけでなく、実用性を考えて服を選ぶ必要があります。

ミリタリーウェアのセレクトは、この実用をメインに考えた結果です。なので有名なモデルやレアなモデルを入れているのではなく、僕が実際に農作業やお店の改築作業で着てみて、よかったものだけをピックアップしています。

逆に言うと実際に着てみて、袖が太すぎるなとか、ポケットがついていないと不便だな、と思ったものはやっていません。

__すごく地に足のついたセレクトなんですね。

菊地:JAN JAN VAN ESSCHEやZIGGY CHEN、Taiga Takahashiといったブランドの作品をセレクトする時も、なるべくこの土地に合ったものを選ぶようにしています。花巻や岩手では車移動も多いですし、寒い中移動することもあります。

環境が変わると所作が変わり、所作が変わると選ぶ服も変わってくるんです。例えば以前はワイドパンツをよく履いていましたが、こちらで暮らすようになってからもう少しミニマルなシルエットのものを選ぶようになりました。

__古家具も取り扱っていると聞きました。

菊地:今はそんなに数はありませんが、今後は近くの蚤の市や市場に足を運んで、東北や岩手の古道具・古家具も集めていきたいと思っています。理想はそういうものの中に、海外のアンティークなども混ぜられたらいいですね。

この辺りの古民家を引き上げる時に古いもの―――戦前に織られた裂織りのブランケットやボロなんかが出てくるようなんです。そういうものをお店に置けたら面白いんじゃないかなと。

__離れの小屋にも、何か面白い空間を作ったんですよね?

菊地:母屋はファッションの提案をしたり、お茶を飲んでリラックスしてもらったりする空間なんですが、小屋ではすりガラスなどを使って外界と完全に遮断して、宮沢賢治の童話的な世界観を僕なりに表現しています。

色んな国の古道具の中に、ばんどりのような東北の民芸品を混ぜてみたりして、訪れた人がいつもと違うモノの見方を体験できるような作りにしました。今の僕たちが失ってしまった日本人の良さを伝えられたら、という思いでやっています。

__母屋には屋根裏部屋もあるとか?

菊地:そうそう。7mくらいの急な階段を登っていくと、僕の本がズラリと並ぶ空間が待っているんです。

__7m!古い家は天井の高さのレベルが違いますね(笑)。

菊地:(笑)。ここでは寝椅子を置いていて、灯りの下で本を読んだり、映画を見たりできるようになっています。

kuneに来た人なら誰でも、ここで本を読んだり、物思いに耽ったりしてもらってOKにしています。実際、服を見終わったあと屋根裏部屋に上がったきり、ずっと降りてこない人とかもいます(笑)。

本の貸し出しはしていませんが、自分の経験や好きなものをシェアしたいと思ってkuneを作っているので、僕も積極的に「興味がある人は見てみて」と伝えていますね。

__色々な過ごし方ができるんですね。さて、前編はここまでにして、後編は代表菊地が思い描く、kuneの未来とは?深化していく花巻への想いで語っていただければと思います。引き続きよろしくお願いします。

<NEWS>
・4月15日に新店舗kuneが岩手・花巻にOPEN。
・ZIGGY CHEN 2023SS 2ndデリバリーが3店舗に到着。

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