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V.O.Fメンバーの“ファッション夏支度”事情【CONTEXT TOKYO 伊藤(香)編】

日差しから夏を感じることも増えてくる時季になりました。目前には梅雨、その先には夏が待ち受けています。

服好きにとって、夏は「暑くておしゃれする気にならない自分」と「でもやっぱりおしゃれしたい自分」がせめぎ合う季節です。

V.O.Fメンバーにとっても「涼しさとおしゃれを両立する方法」は毎年の課題です。

そこで今回はV.O.Fメンバーに「今年の夏を乗り越えるための夏支度はしましたか?」と尋ねてみました。さてメンバーはどんなアイテムで夏のファッションを乗り越えようとしているのでしょうか。

第一弾は、CONTEXT TOKYOスタッフの伊藤香里菜の“ファッション夏支度”事情です。

「“涼しさ+エレガンス”が毎年の夏の課題です」

__伊藤さんは今年の夏、どんな格好で過ごしたいですか?

伊藤(香):とにかく涼しくありたいのがまず一つ。もう一つは、涼しさにプラスして上品さのある格好がしたいと思っています。

夏のファッションでの涼しさ+エレガンスというのはCONTEXT TOKYOでも大切にしている考え方なんです。

例えばTシャツ+短パンではなくて、ボトムスを短パンにしたら、トップスをシャツにしたり、足元はレザーサンダルを合わせたりしてバランスをとる、みたいな。

服だけじゃなく、帽子やアクセサリー、靴といった小物類も含めて、そういう抜き差し、加減がうまくできた時に、夏のおしゃれを楽しめてるなと思うんです。

だから今年の夏は、そういうところを追求していきたいなと考えています。

__そういうスタイルを楽しむうえで、「ここが難しいな」みたいな夏のファッションの課題、悩みってありますか?

伊藤(香):私はとにかく日光に弱くて、長い時間、日に当たっていると気持ち悪くなってきちゃうんです。だから夏でも“薄手の長袖”を着たい。肌に日影を作ってあげたいんです。

ただ客観的に見た時に、真夏に肌が出ていないとすごく重たく感じてしまいますよね。ですから、私にとっての夏のファッションの課題は「いかにして日光から肌を守りながら、軽さを出すか」なんです。

先日JOURNALに掲載したキーワードは「透け」―――東西の貴族に学ぶ、“夏の黒“着こなし術はこの課題に対する私なりの答えの一つでした。

伊藤(香)の夏支度アイテムは“UMA WANG のバレエシューズ”

「これは私の夏のおしゃれの課題を解決してくれる一足なんです」

__では今年の夏支度アイテムも、「夏でも着られる黒の長袖」みたいな感じですか?

伊藤(香):いえ、今年の夏は足元から「いかにして日光から肌を守りながら、軽さを出すか」にアプローチしようと思い、上海のブランドUMA WANG のバレエシューズを購入しました。

__今年の春夏からCONTEXTで取り扱いがスタートしたブランドですね。

伊藤(香):はい。実はこのバレエシューズはCONTEXTでアルバイトをさせてもらう前―――数年前から気になっていたんです。だから今年の春夏から取り扱いが始まると聞いて、ご縁を感じて購入することにしました。

__どうしてこの靴が夏支度アイテムなんですか?

伊藤(香):これは私の夏のおしゃれの課題を解決してくれる一足なんです。

例えばフットカバー(カバーソックス。靴下を履いていないように見せる非常に短いソックス)と合わせると、エックス型のゴムバンドから素足が覗くデザイン。

デザインとしても新鮮ですし、肌が見えるので、スタイリングが一気に軽やかになります。

長袖やフルレングスのトラウザーズなど、夏だと重く見えがちなアイテムを合わせても、私が求める涼しさ+エレガンスを足元で演出できるんです。

あとは、単純にラクなんです。

__ゴムバンドは着脱がラクですもんね……。

伊藤(香):いや本当に(笑)。

春先ぐらいまではGUIDIのバックジップブーツを愛用しているんですが、ジップの上げ下げをするのも面倒に感じる時は、何も考えずにUMA WANGのバレエシューズを履くようになりました。

特に夏になると、ただでさえ暑くて外に出るのも億劫なんですが、そんな時でもこの靴なら無理なく履けます。こうした手軽さも、購入の決め手でした。

__夏場の玄関口で過ごす時間って、けっこう地獄ですよね。家を出る時は、早く外の風にあたりたいのに靴紐を結んだりしてモタモタしてると汗だくになっちゃう。

帰りも靴紐を解いてるうちに汗が噴き出てきて、クーラーのスイッチを入れる頃には1日の疲れがどっと押し寄せてきてる(笑)。

伊藤(香):そう、そうなんですよ!だからパパッと脱ぎ履きできるのは、夏の靴としてとっても大事だと思うんです。

“UMA WANG のバレエシューズ”のココ好きポイントは?

__では実際に履いてみて感じる、“UMA WANG のバレエシューズ”のココ好きポイントはどこですか?

伊藤(香):エックス型のゴムバンド、履き心地の軽さ、積み上げヒールの3つですね。

__まずはエックス型のゴムバンドについて聞かせてください。

伊藤(香):履き口がゴムの靴って、カジュアルとドレスのバランスが難しいと思っているのですが、UMA WANGのバレエシューズはそのバランスがちょうどいいんです。

バレエシューズを着用しているバレリーナ。
photo by ​Mrlopez2681

例えば一般的なサイドゴアブーツのゴムって、実用性を前提とした仕様ですよね。でもこの靴のゴムバンドは、もとになったバレエシューズのデザインを前提としたものなんです。

「ラクだからゴムバンド」じゃなくて、「バレエシューズを履きやすくしたらゴムバンドになった」というイメージ。だからこの靴は女性らしいエレガンスとゴムバンドのラクさが両立しているんだと思っています。

CONTEXTではメンズのバレエシューズも取り扱っていて、ヒールがなかったり、プレーントゥだったりとデザインの違いがありますが、エックス型のゴムバンドは共通しています。

なので、男性の方でも履けば同じことを感じてもらえるはずです。

__では二つ目の履き心地の軽さについて教えてください。

伊藤(香):この靴、かなり軽いんです。購入する前は「言ってもレザーシューズだし、積み上げ式のヒールだし、それなりに重いんだろうな」と思っていたんです。

でも実際に手に取ってみると、驚くほど軽かった。

__それはどうして?

伊藤(香):まずデザイン上、足の甲の部分が大きく開いているので、紐靴などに比べると革の総量が少ないですよね。

またレザー自体もやや薄め。しっかり春夏仕様になっています。本来バレエのトゥシューズには詰め物が入っていることがありますが、当然この靴には入っていません。だから見た目よりも軽いのだと思います。

ちなみに、レディースのものよりもメンズのものの方が軽いんですよ。

__そうなの!?

伊藤(香):私はレディースの35(最小サイズ)なんですが、CONTEXTに置いてあるメンズの41と持ち比べると「あれ、メンズの方が軽いんじゃ……」と感じたんです。

実際測ってみたら、レディース35サイズが片足296gであるのに対して、メンズ41サイズで片足200gでした。

どちらにしても一般的なスニーカーより軽いんですが、積み上げ式のヒールがないうえに、レザーの厚みがメンズの方が気持ち薄いのが軽さの原因だと思います。だからきっとメンズの方がもっと履き心地がラクになるはずですよ。

__三つ目の積み上げヒールはなぜココ好きポイントなのですか?

伊藤(香):アッパーのレザーはつるんとしていてみずみずしい一方で、この積み上げヒールは色むらもあって、表情もザラついていて、グッと男性っぽくなっているんです。

正面では女性らしいエレガンスを演出しつつ、横や後ろから見るとラフな表情を見せてくれる。このギャップがとても気に入っていて。

__このヒール、めちゃくちゃいいですね。履きやすさならメンズだけど、見た目ならレディースの方が好みかも。僕は足が小さいので、海外ブランドならレディースも履けちゃうんですよねえ……。

伊藤(香):モードファッションなら男性がこれくらいのヒールを履いていてもそこまで違和感はないでしょうね。

__ロングホーズのソックスと合わせたりしてね!まずい、欲しくなってきた(笑)。

伊藤(香):レディースモデル、メンズモデルどちらとも、ソックス遊びは楽しいと思います。春夏はフットカバーで、秋冬は色物のソックスを使って季節感を演出できそうですね。

使い勝手の良い一足を手に入れられて、本当に大満足です。

伊藤(香)が“実は狙ってる1着”とは?

__では今店頭にあるアイテムの中で、梅雨・真夏に向けて「実は狙ってる1着」ってありますか?

伊藤(香):いっぱいあるんですけど(笑)、一番気になっているのはZIGGY CHEN SPREAD COLLAR SHIRT WITH SCHOLAR PRINTです。

__これは女の子が着ていたらめちゃくちゃ可愛いやつ!でも、サイズは大丈夫なんですか?

伊藤(香):実は、今シーズンのZIGGY CHENは44サイズであれば女性でも違和感なく着られるサイズ感なんです。

おそらく今シーズンのテーマになっている老荘思想の“無為自然”(※)を反映させたくて、より自然に体に沿うようなシルエットにしたかったのかもしれません。

そして……ラスト1着残っているのが44サイズなんですよね……。

※詳細は【考察】ZIGGY CHEN が 2022SS COLLECTION “INACGRAPHY” で伝えたかったものとは?をご覧ください。

__これは悩む!(笑)

伊藤(香):そうなんです!すごいおすすめしたい気持ちもたくさんあるんですけれど、「でも私も着たい!」という気持ちもたっくさんある(笑)。

__どうしてそんなに気に入っているんですか?

伊藤(香):このシャツも涼しさ+エレガンスを実現してくれる1着なんです。

コットン90%・ウール10%の生地なんですが、とてもとろみがあって、歩いたり風が吹いたりした時に布がきれいにゆらめいてくれる。「夏にウール?」と思うかもしれませんが、肌あたりがとても柔らかで軽くて。

この素材からは夏のウールの可能性を感じましたね。

__色も夏にちょうどいい明るい色ですし。

伊藤(香):そうなんです。これにフルレングスのトラウザーズにUMA WANGのバレエシューズを履いて歩きたい……。

__女性ならスカートもアリですし、ノースリーブのワンピースとかに羽織っても良さそうですね。

伊藤(香):もうね、絶対可愛いと思うんですよ……。

__真夏は空調が効きすぎていることも多いので、こういうライトアウターにも使える肌あたりの良いシャツを持っておくと重宝しますよね。

伊藤(香):シャツ以上の顔も見せてくれる予感がしますね、この子は。

Edwina Horl “HEMD ”は、なぜ「挑戦しやすい柄シャツ」なのか?―――ブロックプリントに見るインドの手仕事と風土で紹介したシャツもそうですが、着回しができるシャツをずっと欲しいなと思っているので、悩ましいです。

本当にZIGGY CHENのこのシャツは気になっています。とっても、とっても!

__これを読んでいる方は、ぜひともこのシャツを購入して、悩める伊藤さんをラクにしてあげて欲しいですね(残酷)。今年の夏も暑くなるとは思いますが、全力でおしゃれを楽しんでいきましょう〜。

<NEWS>
・HED MAYNER 2022S/S COLLECTION “NOMADLAND”の1st deliveryが東西両店に到着。

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語り手/伊藤 香里菜(CONTEXT TOKYOスタッフ)
書き手/鈴木 直人(ライター)